ちーと、長いのですが、この記事では「となりの億万長者」の書評を書き連ねています。
蓄財には何が必要なのか?
その問いに対するシンプルかつ本質的な回答が載っている良書だと思います。
両親の債務整理をしている時に出会った本なので、私にとってはバイブル的な存在となっていますねー!
文章は洋書感が満開ですが、蓄財にあたっての必読本だと思ってますので、素晴らしさをお伝え出来ればと思います。
「となりの億万長者―成功を生む7つの法則」は蓄財だけでなく、人生において必携の良書!現実的でないデータもあるが、全世界共通の蓄財マインドは自身の生活に直結!
本書の基本データと目次
今から20年近く前にアメリカで発売された本を日本の人がブログで紹介するなんて、著者たちは想像できたでしょうか?
良い本はいつの時代も色あせずに読み継がれていくものです。
やはり、本とは人類の英知の結集だと思います。
本書の基本データと目次は以下の通りです。
- となりの億万長者 成功を生む7つの法則
- ページ数:323
- 出版社:早川書房
- 発売日:1997/09
- 著者:スタンリー・トマス・J、ダンコ・ウィリアム・D
- 翻訳:斎藤聖美
- となりの億万長者を紹介しよう
- 倹約、倹約、倹約
- 時間、エネルギー、金
- 車であなたの価値が決まるわけではない
- 親の経済的援助
- 男女平等・家庭版
- ビジネス・チャンスを見つけよう
- 職業・億万長者対遺産相続人
本書の感想
感想は「今のタイミングで読んで本当に良かった」です。
本書は、1995年頃のアメリカにおいて、100万ドル以上の資産を持つ人を億万長者と定義し、500人以上のインタビューと1000人以上のアンケート調査から、億万長者が億万長者となった理由を統計結果から導き出した内容をまとめた本です。
一貫して伝えているのは、「収入内の支出額で生活をすること」と「見栄を張る為のお金は不要だということ」です。
リサーチした国が現代の日本では無く20年近く前のアメリカであるということで、現代の日本にそぐなわい話がある面は否めませんが、「自ら努力をして自立した人間こそが真の億万長者になれる」という調査結果(個人的要約)は、個人的に非常に大きな心の後押しになりました。
「収入以下の支出で暮らせばお金が貯まる」という当たり前の事実を億万長者へのインタビューやアンケートを用いることで、データからその答えを導き出しているので、非常に説得力があります。
親の借金を整理している真っ最中にこの本に出会うことができたのは、非常に幸運でした。
「無駄を省いて蓄財をしたい」という思いを更に強くすることができたからです。
洋書特有の回りくどい言い回しと日本にそぐわないデータということを差し引いても、お金に対する普遍的な考え方を学べる非常に価値のある本だと思います。
印象に残った言葉10の言葉
個人的にビビビと来る言葉が多すぎて、読んでいるうちに本が付箋だらけになったので、絞るのは難しかったのですが、的を絞って情報を伝えるために10個に絞ってみました!
といっても、文章が非常に長くなってしまっておりますので、今後はもっと数を少なくして書評をアップするかもしれませんが・・・(笑)
七つの法則(P.13)
- 彼らは、収入よりはるかに低い支出で生活する。
- 彼らは、資産形成のために、時間、エネルギー、金を効率よく配分している。
- 彼らは、お金の心配をしないですむことのほうが、世間体を取り繕うよりもずっと大切だと考える。
- 彼らは、社会人となった後、親からの経済的な援助を受けていない。
- 彼らの子供たちは、経済的に自立している。
- 彼らは、ビジネス・チャンスをつかむのが上手だ。
- 彼らは、ぴったりの職業を選んでいる。
題名にもある7つの法則ですが、この本の縮図みたいなものです。
ビジネスチャンスとぴったりの職業という部分は、収入アップの為のコツみたいな話の部分ですが、それ以外は一貫して「収入>支出で自立した生活を送る」ということを伝えています。
非常にシンプルですが、絶対に忘れないようにしたいと思ってます。
この研究で何がわかったか(P.14)
この研究で何がわかったか。資産を築くには自分をコントロールする精神力、犠牲をいとわぬ態度、そして勤勉さが必要であること。成功への鍵は、この三点に集約されるだろう。あなたは心から経済的自立を望んでいるだろうか。あなたもあなたの家族も、この目的のためにライフスタイルを変更する気があるだろうか。多くの人は「その気はない」と言うだろう。しかし、必要とあれば時間、エネルギー、消費行動を変更するつもりがあるというのなら、あなたにも資産は築ける。あなたが経済的に自立することは十分可能だ。本書を読むことは、その第一歩である。
私は蓄財に一番必要な物は「人間力」だと思ってます。
というか、人間力に付随してお金が付いてくるだけだと思います。
こちらの記事でも書きましたが、現在はその人の今までの行動の結果でしか有りません。
link:「富とは持っているお金の額ではない、人生の選択肢の数である」と思うっていう話。
蓄財をしたいならばそれ相応の努力をすればよい、ただそれだけの話なのです。
もちろん、突然降りかかる親の借金等、予期できないイベントもありますが、正直、上を見ても下を見てもキリが無いと思ってます。
そのため、程度の差は有れど、どんな時でもかなえたい願望があるならば努力をする必要があると思っていて、蓄財はあくまでその中の1つだと常々思ってます。
そういった自身の考えにどんぴしゃりの言葉が書かれていたので、一人で感動しておりました(笑)
また、努力をしなければ財を成すことは不可能だと思います。
億万長者は親の資産に左右されない(P27)
億万長者になるのは、自分の能力に自信を持つ人々だ。彼らは両親に金があるかどうかなど、考えたこともない。金持ちになるには金持ちの親がいなければ無理だ、などとも考えない。そう考える人は、一生、億万長者とは縁がないと思っていい。あなたは、億万長者は銀のスプーンをくわえて生まれてくると思っていただろうか?だったら億万長者に関する次のデータをじっくり見てもらいたい。
- 信託財産や相続資産から何らかの所得を得る人は19%に過ぎない。
- 相続資産が、資産の1割以上を占める人は2割に満たない。
- 過半数の億万長者は1ドルたりとも遺産相続を受けていない。
- 両親、祖父母その他の親戚から1万ドル以上の贈与を受けた人の割合は25%以下。
- 91%は親が経営する会社の株を贈与してもらっていない。
- ほぼ半数は、両親や親せきから大学の学費を出してもらってない。
- 今後遺産をもらう可能性がある人は1割を切る。
私は親の借金に苦しめられていた時にこの本に出会いまして、自分の人生は親の環境に依存するものではないというこのデータを見た時は、思わず涙が出てしまいました(笑)
結局は自分なのです。
親がいなければ生活できない人間は、自分でやるべきことをやっていないだけで、現実を見ずにツケを未来に回しているだけと思ってます。
データの母数は不明なので信憑性がどうなのか?は正直なところ不明ではありますが、そういった感覚的な部分を数字であらわしてくれたのは非常に心の後押しになりました。
金持ちの特徴(P40)
金持ちの特徴を3つの言葉で言い表せば、
倹約、倹約、倹約
である。
この言葉に尽きると思います。
無駄な物、不必要な物、他人に向けた見栄なんかにはお金を使う必要はないのです。
だからこそ蓄財ができたのです。
莫大な遺産が転がり込んできても、浪費家はお金を扱う能力が無いので、いずれ使い切ってしまうでしょう。
普段からの倹約による無駄の削減を身につける事でしか、真の蓄財はできないと思います。
お金持ちに予算が必要な理由(P56)
私たちが億万長者の予算の立て方を話すと、決まってこう質問する人がいる。「億万長者ともあろう人が、なぜ予算なんか必要なんですか?」私たちはこう答えることにしている。
彼らは予算を立てて出費をコントロールしたからこそ億万長者になれたし、今も裕福に暮らしているんですよ。
ニワトリが先なのか、卵が先なのかは分かりませんが、セルフコントロールができない人は蓄財することが出来ないと思います。
いくら年収が高くても、浪費する生活スタイルを改めることのできない人は、死ぬまでお金の不安と闘いながら働き続ける必要があるでしょう。
また、あくまで個人的な感触ですが、日本人の良くない所として、「今月もお金が無い無い」と文句は言うものの、「じゃあ、家計簿をつけて振り返っていますか?」と聞くと、「いや、そんなのつける訳無いでしょう」と返す人が多いと思っており、結局は自分でどうにかする気概が少ない人が多いと思ってます。
現在、億万長者程のお金が無い状況で、自身も蓄財をしたいならば、億万長者以上に努力が必要なはずなのに、実際はそこまで努力をせずに日々過ごしている人が多いと思うのです。
結局は努力しないとお金は貯まるはずが無い、蓄財ができた方は相応の努力をしただけ(悪いお金は論外です)だと思ってます。
新車を持つプライド(P114)
新車は中古より2万ドルも高かった。そこで考えたんです。「新車をもつプライド」に2万ドルかける価値があるだろうか、ってね。どうせ車はそんなに違わないんだから、あとはプライドの問題だけでしょ。プライドのために2万ドル払うことはない、というのが私の結論でした。
こちらの記事でも同じ様なことを書きましたが、自分がどんな価値に対してお金を払っているのかを常に意識する必要があると思ってます。
link:何故、あなたは職場で1日に3回も自動販売機で飲み物を買うのか?価値に対する対価の妥当性とは?
車なんか10年以上も前の物がごろごろ走っていますし、ニッチな車じゃない限り音楽も聞けてエアコンもあるでしょうから、移動手段としては古い物でも問題ないはずです。
車が趣味であれば、そこにお金をかけるために他の支出を削ってって話になると思ってますので、それは問題無いと思います。
ただ、企業がPRした内容に踊らされて何百万もするハイブリットカーを何年もローンを組んで購入することは、あなたにとってどういう価値があるのかを考えるべきです。
周りの人間と同じやっているだけでは、今の日本では蓄財なんて不可能です。
私の父親は、借金がある状態にも関わらず、プリなんとかと言うハイブリットカーの新車を7年のフルローンで購入し、後6年近くは毎月ローンを返済しなくてはいけない状況になってます。
家から数キロの会社へピカピカの新車で通勤する価値を得る為に、自分の向こう7年の人生を差し出す判断をした訳です。
父親は休日もほとんど外出することは無いので、通勤以外では基本的に車を使っておりません。
少し年式が古くて玉数の多い安価な車でも必要な条件は満たせたはずなのですが、借金をして子供に迷惑をかけてまでも自分の見栄を尊重したということです。
今一度、自分が何に対してお金を払っているか、すなわち何のために仕事をしているのか、もっと言えば、あなたの大切な人生の時間を何にささげているかを考える必要があると思います。
蓄財の大原則(P203)
収入がいくらであろうと、収入以下で暮らすこと。
非常にシンプルですが、真理を突いている言葉だと思います。
このルールを守れない人がお金に困るのでしょうし、蓄財できた方はこのルールを守れたから蓄財に成功したのでしょう。
必ず忘れてはいけないルールです。
親の経済的援助は子供の人生を奪うことになる(P212)
経済的援助を与えれば与えるほど子供は資産を蓄えず、援助が少なければ少ないほど資産を築くようになる。
これは統計的に証明された事実である。それなのに、親は自分たちの金を使えば自動的に、子供が上手にお金を貯められるようになると考える。これは大きな間違いだ。自分をコントロールする強い意志、自分から行動を起こす主体性は、車や洋服のように金を出して買うわけにはいかないのだ。
世の中、最終的には自立して自分の足で立つことが必要だと思います。
誰かに頼らないと生きていけない人は、その人がいなくなると新たなよりどころを見つけなければ生きていけない。
親がやるべきことは、子供を自立させること。
子供が自立するには、自分をコントロールする人間力を養う必要があります。
誰かを甘やかす事は、体験させない=成長できないという意味で、その分野においてその人の未来を奪うことだと思います。
何かがあった時に誰かが助けてくれると思うのがそもそもの間違いなのです。
誰かの力に頼りつづけて生きていけるほど、世の中は甘くありません。
子供にお金よりも大切なものがあることを教えよう(P263)
逆境は避けられない。人生には、いいときも悪いときもある。子供をかばおうと思っても無理だ。人生は長丁場なんだ。小さい時から障害を乗り越えて自分で道を切り開いてきた人だけが成功する。彼らは困難を避けず、体当たりで努力する機会を与えられた。その機会を与えられない人もいるんだ。社会の荒波から子供を守ろうとしても、子供が、心配、不安を持たずにすむことは決してない。守ろうとすれば依存心を植えつけてしまうだけだ。
まさに、その通りで、親から子供に関するだけの話では無く対人関係全てに言えることだと思います。
人は自立するしかありません、自らの足で立って歩くしか無いのです。
本当に相手の事を思うならば、今手助けをしてどうにかしてあげるのではなく、今後も自分でどうにか出来る力を身につける手伝いをしてあげるべきなのです。
どんなことがリスクだと思いますか?(P296)
どんなことがリスクだろう?収入源が1つしかないことだと私は思う。サラリーマンはリスクを背負っている。給料の出所が1箇所しかないからだ。ビル清掃会社はどうか。客が100社あれば、収入は100箇所から生じることになる。
年金問題、超高齢化社会、国をあげてのインフレ政策。
時代は変わりました。
今の世の中で、「サラリーマン+専業主婦で夢のマイホームを立て、ローンで新車を購入する」という生活モデルを維持できる家庭はいくつあるでしょうか。
世の中は絶えず変化しているので、今まで大丈夫だったからの親世代と同じ暮らしを踏襲するだけではダメなのです。
安定を維持することリスク回避をできる時代は終わり、時代に合わせて変化しないことの方がはるかにリスクが高い時代になったと思ってます。
副業を勧めている訳では有りませんが、今の会社にいる自身の価値は何か?ということを意識する必要があると思います。
ある日突然、今努めている会社でリストラに有ってしまった場合、あなたにはどういう道が残されていますか?
その会社でしか生きれないような能力しか持っていない方は、路頭に迷うか、0から新しい事を始めなければいけないでしょう。
時間は嘘をつきません。
貯まったツケはいつかどこかで返すことになりますので、常に自分の人生のゴールを見据えて日々行動するべきだと思います。
どんな人におすすめか
この本には思いがありすぎて非常に分厚い記事になってしまっておりますが、私はそれだけの価値があると思ってます。
で、どんな人にこの本がオススメかと言いますと、以下の様な方に一度読んで頂きたいと思います。
- 何故だかお金が貯まらない方
- お金持ちはをうらやましいと思っている方
- 将来、お金の不安を無くしたいと思っている方
- 親の借金で困っている方
- 家族の浪費をなんとかしたいと思っている方
- 要するに、お金の心配事がある方
まとめ
非常に長々と書きましたが、蓄財の必要なマインドを養うためには非常に為になる良書だと思います。
調査対象が「20年程前のアメリカという国」であり、「庶民とはかけ離れた財産を持つ人々」だと言うことで、少なからず感覚的に馴染みのない部分も有ります。
しかし、それを含めても、蓄財の為のマインドが「収入以下の支出で暮らす」ということをデータで裏付けており、最終的には「自立をすることでしか蓄財は成し得ない」と一貫して伝えていることから、誰もが身につけるべき考え方を学ぶことができる非常に良い本だと思うのです。
私がこのブログを立ち上げる途中で、この本から受けた影響はかなり大きいです。
それはお金に苦しい時にこの本に出会えたからです。
たった300ページちょっとの本を読むだけで、私はその後の人生に大きな影響を与えてもらうことができました。
少しでも興味が出た方は、ぜひとも、こちらの本を手にとって蓄財の糧にして下さい。
たんたん
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